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【理系スマブラー必見!?】MkLeoの撃墜技とその傾向に関する研究【データスマブラーうじこ】

MkLeo
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MkLeoの撃墜技とその傾向に関する研究
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指導教員 MkLeo

スマブラ大学大学院 撃墜技研究科 MkLeo専攻 うじこ

 

1.緒論

1.1はじめに

近年、大乱闘スマッシュブラザーズシリーズ(以下スマブラ)において、競技的に対戦することは盛んに行われている。このようないわゆるeSportsは、今後の発展が予想されている市場で、非常に期待されている ^{(1)}

野球などのスポーツにおいて、勝率を上げるためにデータを活用することは盛んに行われている。メジャーリーグでの大谷シフトなどは記憶に新しい。このようなデータの活用がこれからゲームの競技シーンでも行われるようになるのは自然な流れである。実際、海外の強豪eSportsチームではデータ活用は行なわれているようである ^{(2)} 。しかし、日本におけるスマブラの競技シーンにおいてデータを利用しているのは一部のプレイヤーに限られるのではないだろうか。

1.2先行研究および本研究の目的

スマブラにおけるデータを解析した事例は非常に少ない。世界スマブラレポ  ^{(3)} (2016)では、クラウドのリミット凶切りに着目し、勝利した試合のほうがリミット凶切りを使った回数が多かったことを示した。また、撃墜技の比率についても調べ、プレイヤーによって比率に大きく違いがあることを示し、”一般に適度な数の撃墜方法を織り交ぜることで相手に予測されにくくかつ自分の中で一貫した戦略が立てやすいというのは言えるのではないだろうか”と述べている。Shogun ^{(4)} (2018)は、フォックスの撃墜方法について、対ゼロスーツサムス、ロゼッタ&チコについて比率の調査を行った。また、撃墜状況についての比率の調査も行っており、今後の動画データの利用についての展望を語っている。
そこで本研究では、筆者の好きなプレイヤーであるMkLeoの大会の試合における撃墜技について調べ考察を行ない、勝率と撃墜技のバランスについての定量的評価を試みた。今回データを解析するうえで撃墜技を選択した理由は、データ収集と考察がしやすいからである。

 

2.データ収集、解析条件

2.1使用した動画

使用した動画のURLを付録Bに示す。

 

2.2解析条件

表1に解析条件を示す。今回の解析では、MkLeoの使用キャラはマルスとし、対戦相手のキャラはシークとベヨネッタの2通りのデータを収集した。シークとベヨネッタを選択した理由は、単にサンプルとなる動画が多く見つかったからである。撃墜技のサンプル数は、シーク、ベヨネッタともに100である。統計量を評価するには心許ないが、今回は試験的に100とした。データ収集は、撃墜技の種類だけでなく、その撃墜技がどの状況で当てられた技なのかも記録した。状況の場合分けはShogun(2018)を参考に、差し合い、崖上がり狩り、着地狩り、復帰阻止の4つとした。さらに筆者はこの差し合いについて、確定撃墜場面とそれ以外(非確定撃墜)に場合分けを行った。Shogun(2018)でも述べられているが、撃墜技をこの4つのどこに分類するかには主観が入るため、正確な分類をすることはできないが、今回は議論を進めるために目をつぶることとする。

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3解析結果

3.1撃墜技の比率

図.1に対シークの撃墜技の比率を示す。図.1より対シークにおいて一番多い撃墜技の選択肢は圧倒的につかみで、26%を占めることが分かる。ここでのつかみには、上投げの直接撃墜と、下投げからの展開での撃墜を含んでいる。
図.2に対ベヨネッタの撃墜技の比率を示す。図.2より、対シークに比べて際立って多い撃墜の選択肢は無く、バランスがいいことが分かる。
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3.2撃墜状況の比率

図.3に対シークと対ベヨネッタの撃墜状況の比率をまとめて示す。図.3より対シーク、ベヨネッタともに、撃墜状況で一番多いのは差し合いで、半分以上を占めることが分かった。これはShogun(2018)と同様の傾向である。また、対シークの場合、ベヨネッタに比べて崖上がり狩りの比率が高く、着地狩りの比率が低いことが分かる。この理由については、ベヨネッタの崖上がり能力の高さと、対ベヨネッタにおける着地狩りの機会の多さのためだと考えらえる。しかし、もっと他のキャラの比率を調査しないと明確なことは断言できないのが現状である。

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4.考察

この章では、撃墜技のバランスの良さと勝率との相関関係について考察を行う。勝率は簡単に定量的に評価できるが、撃墜技のバランスの良さはそのままでは評価できない。そこで、撃墜技のバランスを定量的に評価するため、以下の式で定義される指標U(Ujiko)を導入する。

$$U=\frac{変動係数^{(5)}}{撃墜技の種類}$$

統計に疎い人のために説明をしておくと、変動係数とは、数がどれだけばらついてるかの指標である。要するに、撃墜技が偏っていると大きくなる数字である。変動係数のみで評価を行うことも考えたが、変動係数のみだと撃墜技の種類の豊富さの情報が入りにくい。そこで試験的に変動係数を撃墜技の種類で除している。これについては妥当かどうかの深堀りした考察を行う必要性がある。とりあえず、Uが小さければ小さいほど、撃墜技のバランスが良く、撃墜の選択肢が多いと考えてもらえば問題ない。 しかしこの指標にはいろいろな欠陥があるのが現状である。その例を付録Aに示しておく。
表3に、対シーク、ベヨネッタにおける勝率とUを示す。ここでの勝率とは、試合における勝率ではなく、セットカウントで計算した勝率である。表3より、Uが小さいベヨネッタのほうが勝率が高くなっていることが分かる。しかし、当然対シークとベヨネッタで対戦相手は異なり、キャラ相性もあるので厳密に相関があると言い切ることはできない。またサンプル数もたった100では当然疑問が残る。今後のデータの積み重ねが望まれる。
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5.まとめ

本研究では、MkLeoのマルスの撃墜技の種類と撃墜状況について、動画からデータを収集し調査を行った。調査の結果、以下のことがわかった。
・対シークの場合、対ベヨネッタに比べて崖上がり狩りの比率が高く、着地狩りの比率が低いことがわかった。これはベヨネッタの崖上がり能力の高さを示していると思われる。
・対シークに対して、対ベヨネッタのほうが撃墜技のバランスがよく、勝率が高かった。

 

6.感想、今後の展望

調査の中で、意外にもYoutubeにあげられている動画の少なさを感じた。今回の調査のように片方のプレイヤーとキャラを固定し、キャラごとで統計を取ろうとすると、対シークや対ベヨネッタなどメジャーなキャラでもサンプル数を100とるのがやっとである。対マリオは100に満たずお蔵入りした。それもMkLeoのような配信に毎回上がってくる超トッププレイヤーでないと不可能である。今後画像認識AIなどで自動でデータを収集、学習して、プレイヤー、キャラ対策を提示してくれるような未来が来ると予想していたが、単純にデータ数が足りなくて意外と難しいのかもしれないと感じた。
今回の調査は想像通りかなりの時間を要したが、まだまだデータが足りず明確な傾向は見えてこないのが現状である。このようなことに時間をかけるのは相当なオタクしかいないだろうが、ぜひデータを提供してくれる有志が現れることを祈る。

7.謝辞

全てのスマブラ族に・・・感謝。

NatureかScienceのどちらかに投稿しようと思っているのですが、どっちがいいと思いますか?意見を募集しています。

世界スマブラレポさん、Shogunさんには本当に感謝しています。

www.ssbblog.com

付録A おまけ

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僕の最強のメインキャラ、マリオの撃墜技の比率です。U=0ですよ。バランスがいいですね。

欠陥のある指標です。

付録B 使用した動画URL

動画、もしかしたら抜けてる可能性があります・・・。

対ベヨネッタ
https://www.youtube.com/watch?v=5TJiaQPQ7RU&t=97s
https://www.youtube.com/watch?v=7T158_Fegys
https://www.youtube.com/watch?v=vhusCzWCs0A
https://www.youtube.com/watch?v=pJ7dFSUWWLY
https://www.youtube.com/watch?v=vw3GTlKALOM
https://www.youtube.com/watch?v=TJFLGko4Uzg
https://www.youtube.com/watch?v=ni05EG5LdYI
https://www.youtube.com/watch?v=RWeMqFd4mIc
https://www.youtube.com/watch?v=ldn6ygiHBbU
https://www.youtube.com/watch?v=vfyARkkG5nw
https://www.youtube.com/watch?v=-601ZYlUaEY
https://www.youtube.com/watch?v=bYP282S1MeY
https://www.youtube.com/watch?v=4c-w-9Cw91o
https://www.youtube.com/watch?v=thSjiQDVwjg
https://www.youtube.com/watch?v=YZNaRjZLU9U
https://www.youtube.com/watch?v=AtcOx8nPCFU
https://www.youtube.com/watch?v=85_W3qjFbOU
https://www.youtube.com/watch?v=k08eESVt3_c
https://www.youtube.com/watch?v=vkoKqXJHUnE
https://www.youtube.com/watch?v=9VUS4Xx0idc
https://www.youtube.com/watch?v=WGsxToc9my8

対シーク
https://www.youtube.com/watch?v=hp2LRqTKo60
https://www.youtube.com/watch?v=AlzUAdZJ5A8
https://www.youtube.com/watch?v=tjkI6uwBSLE
https://www.youtube.com/watch?v=3lLrdK7ebDA
https://www.youtube.com/watch?v=U_a1SiC6Zfk
https://www.youtube.com/watch?v=Sf0ceyojB-s
https://www.youtube.com/watch?v=awxT-lFy3Kk
https://www.youtube.com/watch?v=kzL7xp9yDvI
https://www.youtube.com/watch?v=umNPESMj0uM
https://www.youtube.com/watch?v=xRcBmlSmSoQ
https://www.youtube.com/watch?v=6aP0xwxZ_Y
https://www.youtube.com/watch?v=NSp_6xWHc4Y
https://www.youtube.com/watch?v=qEgCOb4Kqn8
https://www.youtube.com/watch?v=jSPoHY0qfrY
https://www.youtube.com/watch?v=FKNLUxL_mD8&t=2s
https://www.youtube.com/watch?v=14NijYLTcus
https://www.youtube.com/watch?v=
oouYHTW27k
https://www.youtube.com/watch?v=VLmcv-SYWNo

参考文献

(1) SHIBUYA GAME「5分でわかるeスポーツ」https://shibuya-game.com/archives/25056
(2)SAP、eスポーツへの初のスポンサーシップを発表、「チームリキッド」のオフィシャルイノベーションパートナーに – SAP Japan プレスルーム
(3) 世界スマブラレポ: データで見るスマブラ Wii U版編 #1 『Apex 2016』 クラウドのリミットブレイク利用傾向 — Smash for Wii U Statistical Breakdown #1 Cloud Limit Breaks
(4)【コラム】対戦動画の活用方法の一例と、将来的なデータ活用の初歩について | Smashlog
(5)

http://www.pref.toyama.jp/sections/1015/ecm/back/2009apr/tokushu/_img/1-03.pdf

 

 

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