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スマブラSPのキャラバランスって本当に良いの?

コラム
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スマブラSPのキャラバランスって本当に良いの?

スマブラSPが発売して早くも半年がたった。すでにたくさんの大会が開催され、数々のドラマを生み出している。日本人の活躍も目覚ましく、プロプレイヤーの数もどんどん増加し、スマブラSPの勢いはまだまだ衰えることはなさそうだ。

そんな中最近よく聞く話として、「スマブラSPはキャラバランスがいい」というのがある。確かに大会結果を見てみると様々なキャラクターが上位にランクインしているのをよく目にする。

先日のカミスマの結果を見ても、様々なキャラクターが上位に位置しているのがわかる。

感覚的にはキャラのバランスはよさそうだが、私はひねくれているので実際に数字を確認してみないと気が済まない。そこで、本記事ではスマブラSPの大会結果からキャラバランスを定量的に評価し、スマブラ4/スマブラDXと比較してみた。

どうやって定量的に評価する?

変動係数で評価する

キャラバランスを定量的に評価するために、私が以前調査した大会での使用回数のデータを生データとして応用してみることにした。

https://ssbblog.com/entry/2019/03/14/200019

本記事では、各キャラクターの使用回数の変動係数をキャラバランスの指標とする。キャラクターの使用回数の変動係数は次式で定義される。

$$CV(変動係数)=\frac{標準偏差}{算術平均}$$

細かい定義などは記事を読むうえで必要ないので簡単に説明すると、変動係数はデータのばらつきの指標で、大きいほどデータがばらついていることを示す。

変動係数が小さい=キャラクターの使用回数にバラツキが小さい=キャラバランスが良い

という理論で話を進めていくことにする。ちなみに使用回数が0回のキャラクターも計算式に含んでいる。なので、キャラクターの総数が単純に多いほうがバランスが良くなりやすいこともないはず・・・である。

キャラの使用回数データの収集方法

キャラの使用回数のデータの収集方法は以前の記事と同様に、smash.ggの統計情報を利用させていただいた。データを見るうえで、以下の点に注意されたい。

  • smash.ggに試合のキャラ報告がされていない試合は集計に入っていない。
  • キャラ報告はトーナメントの上位の試合しかされていないことが多い。
  • 使用回数は1ゲームごとに集計しているので、使い手の人数とは一致しない。そのため強い使い手が頻繁に大会に参加して上位に常に入っていると使用回数は多くなる。

以下にそれぞれのシリーズでデータ収集の対象とした大会をまとめておく。できるだけ大規模大会のみから選ぶようにしているが、スマブラSPのみサンプル数を稼ぐためにスマブラDXやスマブラ4に比べると小規模な大会も入っている。

スマブラDX スマブラ4 スマブラSP
GENESIS6 SSC2018 Genesis6
THE BIG HOUSE8 EVO2018 Frostbite2019
EVO2018 CEO2018 Tech Republic IV
CEO2018 GENESIS5 Smash Conference United
GENESIS5 TBH7 Ultimatum
  SSC2017 SoCal Chronicles
  EVO2017 Glitch 6
  CEO2017 Don’t Park on the Grass 2018
  GENESIS4 UmeburaJM2019
  2GG Civil War GOML2019
    PrimeSaga
    Pound2019

大会使用回数キャラランキング

そもそもキャラの使用回数が気になると思うので、キャラ使用回数ランキングを紹介する。

スマブラSP

キャラ使用回数ランキング
ランキング キャラクター 使用回数 比率(%)
1 オリマー 184 8.10
2 フォックス 160 7.04
3 ピーチ 153 6.73
4 ピチュー 136 5.98
5 スネーク 130 5.72
6 ウルフ 107 4.71
7 インクリング 98 4.31
8 ルキナ 96 4.22
9 アイク 92 4.05
10 ポケモントレーナー 82 3.61
11 パルテナ 78 3.43
12 ロボット 70 3.08
13 ピカチュウ 64 2.82
14 ゼロスーツサムス 57 2.51
15 ロックマン 52 2.29
15 ワリオ 52 2.29
17 ネス 50 2.20
18 ロイ 48 2.11
19 クロム 43 1.89
20 パックマン 41 1.80
21 ディディーコング 35 1.54
22 ドンキーコング 33 1.45
23 リンク 29 1.28
23 クラウド 29 1.28
25 トゥーンリンク 26 1.14
26 ゲッコウガ 25 1.10
26 キャプテンファルコン 25 1.10
28 ヨッシー 24 1.06
29 ケン 18 0.79
29 ヤングリンク 18 0.79
31 ルイージ 17 0.75
32 マリオ 15 0.66
32 ダックハント 15 0.66
34 ルフレ 14 0.62
35 しずえさん 12 0.53
36 ベヨネッタ 11 0.48
36 ミュウツー 11 0.48
36 デイジー 11 0.48
36 デデデ大王 11 0.48
36 ルカリオ 11 0.48
41 リヒター 10 0.44
41 ジョーカー 10 0.44
43 ガノンドロフ 9 0.40
44 クッパ 8 0.35
45 ガオガエン 7 0.31
45 リドリー 7 0.31
47 カムイ 6 0.26
47 ゼルダ 6 0.26
49 メタナイト 5 0.22
50 ドクターマリオ 3 0.13
50 格闘Mii 3 0.13
50 むらびと 3 0.13
50 サムス 3 0.13
54 ファルコ 2 0.09
54 シーク 2 0.09
54 剣術Mii 2 0.09
57 プリン 1 0.04
57 キングクルール 1 0.04
57 カービィ 1 0.04
57 ソニック 1 0.04
61 クッパJr. 0 0.00
61 ダークピット 0 0.00
61 ダークサムス 0 0.00
61 アイスクライマー 0 0.00
61 リトルマック 0 0.00
61 リュカ 0 0.00
61 マルス 0 0.00
61 射撃Mii 0 0.00
61 Mr.ゲーム&ウォッチ 0 0.00
61 パックンフラワー 0 0.00
61 ピット 0 0.00
61 ロゼッタ&チコ 0 0.00
61 リュウ 0 0.00
61 シュルク 0 0.00
61 シモン 0 0.00
61 Wiiフィットトレーナー 0 0.00

前回の調査結果よりも異なるのはオリマーが一つ抜けて1位となっていることであろう。しゅーとんのPrimeSagaでの優勝を筆頭に、DabuzやMyranの活躍も大きく影響しているようだ。PrimeSagaはTOP8からしかキャラ報告がされていなかったために、YBさんのダークサムスはカウントされておらずいまだ0回であった。残念。

DLCキャラのジョーカーがすでに10回も使用されていることにも注目である。このキャラの評価は今後どうなるであろうか。

スマブラ4

ランキング キャラクター 使用回数 比率(%)
1 ベヨネッタ 390 16.54
2 ディディーコング 239 10.14
3 ゼロスーツサムス 212 8.99
4 ロゼッタ&チコ 172 7.29
5 シーク 163 6.91
6 クラウド 152 6.45
7 フォックス 121 5.13
8 マリオ 96 4.07
9 ミュウツー 83 3.52
10 ソニック 75 3.18
11 ダックハント 66 2.80
12 キャプテンファルコン 60 2.54
13 マルス 58 2.46
14 ピカチュウ 58 2.46
15 カムイ 52 2.21
16 むらびと 42 1.78
17 リュウ 41 1.74
18 ドンキーコング 33 1.40
19 ルキナ 29 1.23
20 ルイージ 28 1.19
21 メタナイト 27 1.15
22 ピーチ 24 1.02
23 オリマー 22 0.93
24 ネス 21 0.89
25 リンク 19 0.81
26 Mr.ゲーム&ウォッチ 11 0.47
27 パックマン 10 0.42
28 ルカリオ 10 0.42
29 ピット 9 0.38
30 アイク 8 0.34
31 ロックマン 8 0.34
32 クッパ 6 0.25
33 サムス 4 0.17
34 トゥーンリンク 3 0.13
35 ロイ 2 0.08
36 Wiiフィットトレーナー 2 0.08
37 プリン 1 0.04
38 リトルマック 1 0.04
39 ロボット 0 0.00
40 パルテナ 0 0.00
41 ワリオ 0 0.00
42 ゲッコウガ 0 0.00
43 ヨッシー 0 0.00
44 ルフレ 0 0.00
45 ガノンドロフ 0 0.00
46 デデデ大王 0 0.00
47 ゼルダ 0 0.00
48 格闘Mii 0 0.00
49 ファルコ 0 0.00
50 カービィ 0 0.00
51 クッパJr. 0 0.00
52 リザードン 0 0.00
53 ダークピット 0 0.00
54 リュカ 0 0.00
55 剣術Mii 0 0.00
56 射撃Mii 0 0.00
57 シュルク 0 0.00

皆さんの予想通りかもしれないが、ベヨネッタが圧倒的な1位となった。比率で言うと1位のベヨネッタが約17%、2位のディディーコングが10%である。

スマブラDX

ランキング キャラクター 使用回数 比率(%)
1 フォックス 383 26.34
2 マルス 219 15.06
3 シーク 160 11.00
4 ファルコ 124 8.53
5 プリン 117 8.05
6 キャプテンファルコン 104 7.15
7 ピーチ 95 6.53
8 アイスクライマー 77 5.30
9 サムス 60 4.13
10 ピカチュウ 59 4.06
11 ヨッシー 26 1.79
12 ルイージ 21 1.44
13 ガノンドロフ 5 0.34
14 ドクターマリオ 3 0.21
15 ヤングリンク 1 0.07
16 ピチュー 0 0.00
17 ネス 0 0.00
18 ロイ 0 0.00
19 ドンキーコング 0 0.00
20 リンク 0 0.00
21 マリオ 0 0.00
22 ミュウツー 0 0.00
23 クッパ 0 0.00
24 ゼルダ 0 0.00
25 カービィ 0 0.00
26 Mr.ゲーム&ウォッチ 0 0.00

1位は当然フォックスで、比率で言うと26%。この結果に疑問を抱く人はいないだろう。

キャラバランスを定量的に評価

以下に変動係数をシリーズごとに計算した結果の表を示す。

スマブラDX スマブラ4 スマブラSP
1.61 1.77 1.43

繰り返しになるが、変動係数は小さければ小さいほどキャラバランスが良いことになる。つまり、スマブラSPが一番キャラバランスが良く、次いでスマブラDX、スマブラ4という結果になった。

スマブラ4は後半の大会結果だけを抽出しているのもあり、ベヨネッタの猛威の影響が大きく出た。ちなみにベヨネッタを外して計算するとスマブラDXとほぼ同等な結果となる。

スマブラSPのキャラバランスが良いという俗説は、他シリーズと比較しても定量的に正しいことがわかった。これだけ多くのキャラクター数がいる中でバランスを良く保っているのは、開発陣の努力の賜物であろう。

最後に

最初に挑戦的なタイトルをつけてしまったが、実際にスマブラSPのキャラバランスは良かった。スマブラSPのキャラバランスが良いのは開発陣にトッププレイヤーが関わっていることもおそらく大きいだろう。今作のシステムやキャラの調整はトッププレイヤーの目線が感じられるものが前作よりも多い。これからのDLCキャラや調整にも注目が集まっているが、よりバランスの良いゲームになりそうな雰囲気を感じる。

今後はストリートファイターなどの他のゲームと比較してみるのもいいかもしれない。

開発陣に感謝!

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