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【スマブラSP】Tweekワリオの撃墜に関する研究

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緒論

スマブラにおける撃墜は、世の中に数あるゲームの中で独自な要素でありスマブラのゲーム性を決定づける重要な事象である。スマブラを観戦するうえで撃墜の瞬間は誰もが注目し、スマブラの魅力が詰まった瞬間であることは間違いない。

競技シーンにおけるスマブラでも撃墜が重要であることは当たり前だ。スマブラには%という与えたダメージとストックという要素があり、相手を撃墜するとストックが減る。いくら%を与えても撃墜をしなければ勝利することはできないルールである。撃墜するには基本的にある程度のリスクを背負った行動をしなければならず、そこがスマブラというゲームを面白く、見ごたえのあるものにしている。よって撃墜に関して研究するのは重要である。

筆者はこれまで撃墜に関して、撃墜技に注目して研究を行ってきた[1][2]。撃墜技のバランスと勝率の相関関係を調べ、撃墜技のバランスがいいほうが勝率が高い結果を示している。

今回の研究では撃墜技のバランス以外にも、撃墜に関する様々な要素について実験的に解析を行ってみた。

解析条件

今回の解析対象は現在ノリにノッているTweekのワリオとした。Tweekワリオの撃墜について、撃墜技の種類、撃墜状況、また新たな試みとして撃墜%を計測した。撃墜%は撃墜技を当てる直前の%を記録しているので、撃墜したときの%ではないことに注意されたい。解析する動画の対象は、検索で出てきたYoutubeの動画から適当に選択した。撃墜のサンプル数は100である。

解析結果

撃墜技の比率

図.1 撃墜技の比率

図.1にTweekの撃墜技の比率を示す。下強からの展開はほぼDAにつなげており、空前からの展開、空Nからの展開、上強からの展開はほぼ下Bへつないでいる。一番多い撃墜技は空後で24%だった。下Bがからむ撃墜を合わせると(下B、空前、空N、上強からの展開の合計)、21%だった。約5回に1回は下Bにより撃墜している計算になる。

撃墜技の比率:0%~113%(平均撃墜%)

せっかく撃墜%を記録したので、撃墜%による条件付けを行った。

図.2 撃墜技の比率(0%~113%)

図2に、0%~113%における撃墜技の比率を示す。113%は平均撃墜%である。図1と比較すると、空後、横強の比率が減り、空前からの展開の比率が増えていることがわかる。当たり前だが、これは低%では空後、横強の生当てでは相手を撃墜することができず、空前の展開からのおならは低%でしかつながらないからである。

また、撃墜技のバランスが良くなっており、対戦相手にとっては撃墜拒否が難しい%帯であると思われる。

撃墜技の比率:113%~

図.3 撃墜技の比率(113%~)

図3に113%以上における撃墜技の比率を示す。図1と比較すると、空後、横強の比率が高くなり半分以上を占めていることがわかる。高%では空後、横強などの撃墜力の高い技の生当てに撃墜を頼るしかなく、撃墜技のバランスが悪くなっていることがわかる。

撃墜状況の比率

図.4 撃墜状況の比率

図.4に撃墜状況の比率を示す。撃墜状況において一番多いのは差し合いであった。これはスマブラ4と同様な傾向である。

撃墜%のヒストグラム

図.5 撃墜技のヒストグラム

図5に撃墜%のヒストグラムを示す(ヒストグラムについてはリンク先参照)。 binの幅は10%とした。図5より、115%付近に大きなピークがあり、もっとも撃墜される可能性の高い%帯であるこがわかる。また、60%付近にも小さなピークがあり、これは下Bの絡んだ撃墜の影響と考えられる。

また、150%付近から傾きが緩やかになっており、150%以上から撃墜困難になっていると推測できる。これは、図3で高%において撃墜技のバランスが悪くなっていることも影響があると考えられる。ワリオの場合、150%以上の高%帯では逆に撃墜技の選択肢が少なくなり撃墜困難に陥っているのかもしれない。

まとめ

今回は、Tweekのワリオの撃墜技に関して、撃墜技の種類、撃墜状況、撃墜%の計測を行った。その結果、以下のことがわかった。

  • 一番比率の高い撃墜技は空後であった
  • 平均撃墜%を超える%(113%)では、撃墜技のバランスが悪くなっていた。
  • 撃墜%のヒストグラムには60%付近に下Bによる撃墜のピークがあった。
  • 150%付近から撃墜%のヒストグラムの傾きがなだらかになっており、これは高%において撃墜技のバランスが悪くなっていることが原因と考えられる。

最近のスマブラデータ解析の動向

スマブラ競技シーンにおいてデータを活用している話はあまり聞かない。しかし、2019年2月に行われたGENESIS6では、試合後に以下のような画像が配信上で流れたのを覚えているだろうか。

f:id:ks19930323:20190204141428p:plain

英語のわからない方のために訳を載せておく。

英語 日本語
FINAL SCORE  最終的なゲームスコア
TOTAL DMG DEALT 与えた総ダメージ
AVG.KILL% 平均撃墜%
LOWEST KILL%  最も低い撃墜%
TOTAL STOCKS TAKEN 奪ったストック数
FIRST STOCK TAKEN 先に1ストック目を奪ったゲーム数

試合後すぐにデータを処理しこのような情報を視聴者に提供しており、今までにない試みで非常に面白かった。

このようなデータを提供しているのがおそらくMetascouterというチームだ。

Metascouter(@metascouter)さん | Twitter
Metascouter (@metascouter)さんの最新ツイート Building the next generation of FGC stats technology. Check us out at Seattle, WA

プロフィールでは格闘ゲームにおける次世代の統計技術を構築すると述べており、今後が面白そうなチームだ。

プレイヤーを定量的に評価する指標を考えたい話

日本でメジャーなスポーツである野球では、セイバーメトリクスにより選手を定量的な指標で評価するのは当たり前の時代となっている。 何か選手を評価する指標があると、チームの戦略を考えるときや、だれをスカウトするか考えるときに非常に役に立つ。選手の実力を鍛える一つの指針にもなるし、観戦者の話の種にもなる。よって、スマブラ競技シーンにおいてもそのような指標があっても困ることはないだろう。

筆者はかつて撃墜技のバランスの指標であるUを定義をした。

$$U=\frac{変動係数}{撃墜技の種類}$$

統計に疎い人のために説明をしておくと、変動係数とは、数がどれだけばらついてるかの指標である。要するに、撃墜技が偏っていると大きくなる数字である。

Uは撃墜の上手さのある程度の指標にはなるが、使用キャラに大きく依存し、同じキャラ同士でないとあまり比較する意味のない欠点があり不便である。スマブラは、キャラによって統計量が変化する複雑性をもつ(スマブラに限らずほとんどのESportsに当てはまる)。

スマブラにおいて、 プレイヤーの特徴を反映したプレイヤーに依存する指標を作るのは難しい。例えばもっとも簡単そうな指標である平均撃墜%にしても、平均撃墜%がいくら低いからといってそのプレイヤーが撃墜能力に長けていると言い切るのは難しい。撃墜能力の高いキャラを使っているだけなのかもしれない。一番確実なのはプレイヤー全体でキャラごとに平均を取り、平均で無次元化してやることだが、プレイヤー全体の平均を取るのは途方に暮れてしまう。

なにかしらうまくキャラの特性の次元を打ち消すような簡単な方法を絶賛考え中なので、これからの記事を楽しみにしてほしい。

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